面倒くさがりなりに、優雅をめざす――シングル・ライフ

リアルでは口にしづらい、お財布事情や断捨離、日々の生活、趣味などあれこれ。

懐かしくて遠いマンガ『るきさん』

クロエさんが、大好きで懐かしいマンガの記事を書いていらしたので、わたしもマンガを引っぱり出してきました。


手持ちの本、というか少なくともマンガは、わりと読み返しています。
なかでもこの本は、番外編を収録して新装版が出たので、買いなおして古いほうを人にあげたくらい、好き。



まさに、帯に書かれているようなことをやりました。


ご存じの方はいるかな。いないかも。
バブルさなかの1988年から、はじけた後の1992年まで、『Hanako』――つまり、とってもバブル期っぽい雑誌――に連載されていました。


見開き2ページ読み切りの読み切りで、ほとんどは主人公・るきさんと、親友で出版社勤務のえっちゃんしか出てこない。ときには、るきさんだけしか出てこない、大きい事件は何も起きない、日常マンガ。


このるきさん、バブルの真っ盛りでありながら、いまでいうミニマリストの極致みたいな人物です。
安アパートで、ほとんど物のない生活。
職業は、医療保険の事務仕事を在宅でやっているんですが、一か月の仕事を一週間で終えてしまい(つまり仕事はできる)、残りの日々は、図書館で本を借りてくるとか、お金のかからない生活をのーーんびり送っています。
梅雨時に服を全部洗濯してしまって、着るものがなくなると、割烹着とかレインコート着て平然としているような。


バブル期に、バブリーな雑誌に、こんな仙人みたいな、お金にも流行にも関心の薄いキャラという取り合わせが、当時はおもしろかったんですよね。
それが、バブルがはじけると、「るきさんみたいに、低収入でいいから勤務時間が短い仕事で、質素にのんびり暮らしたい」という読み方をされるようになりました。
でも、お給料が安くても勤務時間が短い仕事が、どんどんなくなってしまった。


そして今。
こういう職業が今でも存在しているのかはわからないし、当時も、るきさんはいわゆる正社員ではなかったかもしれませんが、いまの時代だったら、仕事のできるるきさんが一か月バリバリ働いて、この清貧な生活をやっと維持できるレベルなのかも。


今では、せめて、こんな年金生活を送れたらいいなあ、と思いながら、読み返しています。