面倒くさがりなりに、優雅をめざす――シングル・ライフ

リアルでは口にしづらい、お財布事情や断捨離、日々の生活、趣味などあれこれ。

断捨離した本と、六十代、七十代の服装について

わが家がちらかる一番の原因は、紙類、とくに本です。
とにかく多い。
なので、ちょっとでも気持ちが「もういいかな」のほうへ揺れたら、すぐ処分の山に積みます。


今日の断捨離本はこれ。



『Madame Chic Paris Snap――大人のシックはパリにある』。
2015年刊なので、当時わたしはまだ四十代でした。


なんでこれを買ったかというと、当時、出かけるときの母の服装がとても地味で、もうちょっとおしゃれしたらいいのにと思ったものの、どういう服を薦めたらいいかわからなかったからです。
七十代向けのファッション雑誌なんて知らないし、合うような服のブランド/メーカーも心当たりなし。
それに、自分がその年頃になったらどんな服を着るか、考えてみたかったのでした。



これはフランスのマダムの写真集で、同時期に日本の同じような本も出ていたのですが、そちらは、なんというか、とてもカラフルでポップ……まったく自分向きじゃなかったんです。
その点、たしかにこれはシックで、自分も着てみたい服もありました。


ただ、このカバー写真で想像がおつきと思いますが、登場する「パリで出会った58~78歳のマダムたち」、みなさん見るからにとってもお金持ち。
そりゃあ、これくらいお金をかければ、年をとってもそれなりに着るものはあるよね。


そして、この本が役に立たなかった一番の理由は――母は、本やファッション雑誌を見て「こんな服が着たい」と思うような人じゃないことに、後から気づいたのでした。
仮に良くなるとしても、押しつけはだめですよね。


最近は、すてきなグレイヘアの本や、七十代八十代の本まで、いろいろ目にします。
かつては年配の女性が、こういう面で社会にないがしろにされていたと思うし、
高齢者人口が増えて、社会が注目するようになったとも言えるし、
昔の同年齢よりもはるかに元気なので、いろいろなものが必要になった(ことが理解された)んですね。
もちろん、わたしがそういう年齢になって目につくようになった可能性もありますが、上記の日本バージョンの本が出たときは、ずいぶん話題になって写真展とかあったので、画期的だったんじゃないでしょうか。


この先、自分はどんな服を着るだろうか。
どんな服が着られるだろうか(手に入るという意味でも、似あうという意味でも)。
そんなことを思いつつ、本を処分の箱に入れたのでした。