面倒くさがりなりに、優雅をめざす――シングル・ライフ

リアルでは口にしづらい、お財布事情や断捨離、日々の生活、趣味などあれこれ。

箱根駅伝が好きになった不思議

箱根駅伝予選会のことを書いて、気がついたら読者登録しているブログとかに何人も、身近な家族が箱根駅伝を走った経験者だったり、お子さんが過去に目指していたりとかいう記事があってびっくり。
スポーツ好きのコミュニティにいるわけでもないのに。
予選会の時期だからですね。
うれしくてうれしくて、どうしてもそのことを書かずにはいられなくなりました。


もともと陸上競技を見るのが好きで、いつのまにか箱根駅伝も一年の大きな楽しみに。
何か月も前からカウントダウン気分でわくわくしながら待ち、1月2日3日はそれぞれ五時間以上、夢中になって見ています。
でも正直、ここまで好きになるとは思いませんでした。
本当は駅伝は見るのが苦手なタイプの競技だから。


ロードを走る駅伝は、トラックレースと違って曲がり角はあるし、アップダウンや海・山・ビルの風など、トラックにはない条件との戦いがあります。
なかでも箱根駅伝は、10区間それぞれがハーフマラソンくらいの距離(20km以上)。
そこを、自分の出せるスピード、その日の体調、コースの特徴、周りを走るライバルがどういうランナーなのか、などを考えてペース配分や駆け引きをしながら、一時間少々で走って、1日につき5区間×2日間、タスキをつなぐわけです。
見ているこちらは、20km以上走れるだけでもう尊敬ですけど(^-^;


長い距離、難しいコースを走ってきて体力ぎりぎりのなかで、選手たちがくりひろげる駆け引きは、レースを見慣れてくると本当にスリリングです。
ハイスピードでライバルを振り落としていくのか。
わざとスピードを上げ下げして、ほかの選手の体力を削るのか。
かつて、とある有力選手が、道路いっぱいに広がって走っている集団の中で、じわじわと目立たない端のほうへ寄っていって、集団が別の選手に気を取られた一瞬の隙に猛スパート! 見事トップでタスキをわたしました。
こういうことがあるから、見ているほうも気が抜けないのです。
かなり前を走っている選手を猛然と追い上げているときは、
「がんばれ、追いつけ」
「途中でガス欠になって、かえって差が開いてしまわないだろうか」
とはらはらしながら見る気持ち。


でも、夢中になっている一方で、つらくもあります。
追い抜かれる選手を見るのが。
実は体調や脚の状態に問題があって、期待された結果を出せない選手を見るのが。
駅伝はチームスポーツと言いますが、一度に走るのはチームでひとりだけ、そして走り出したら具合が悪くても助けてあげることはほとんどできません。
そういう選手の、テレビ中継されながら走る一時間のことを思うと。
そして、その選手のご家族の心境を思うと――。
なんでこんな過酷なレースを好きになっちゃったのかな……。


そういうことを思いながらも夢中にならずにはおれない、二日間心をめちゃくちゃにゆすぶられる罪深い(?)スポーツ観戦、それが箱根駅伝なんです。