面倒くさがりなりに、優雅をめざす――シングル・ライフ

リアルでは口にしづらい、お財布事情や断捨離、日々の生活、趣味などあれこれ。

胸にずしりと重かった「サラメシ」

普段、ニュースや天気予報以外はほとんどテレビを見ないわたしが、在宅していれば毎週見たい、数少ない番組が「サラメシ」。
気がつけば、同僚も、仕事相手も、両親も「サラメシ」を見ています。大人気ですね。
ブログでも、ひとの食卓やお弁当や外食の記事は大好き。
その、おいしそうな映像に、自分と違う地域や仕事の事情がのぞけるところが、楽しいんですよね。
ときどき最後が「あの人の昼を食べてみた」で、中井貴一さんの話し方ががらっと変わって、静かになるところも、いい。


その「サラメシ」、昨晩の回は、思わぬものがありました。
祖母との毎日の食事と、作ってもらったおにぎりを、ブログにしていた男性。
めでたく書籍化されたことも、「サラメシ」が縁だったとか。
それで、五年前に放送されたその映像も再登場しました。
もうすぐ84歳になるという祖母が紹介され、駆け出しライターでお金のない孫のために、何品もテーブルにいっぱい夕食をつくる。
楽しそうな夕食風景でした。


そして五年後の今回。
ライターの男性が、前回と同じ祖母の家に取材班を連れていくのですが――


88か89になっているはずのその女性は、ダイニングキッチンの椅子に座ったままで、話しかけてもほとんど表情は変わらず、返事もなく。
代わりに孫の男性が料理をする時の指示と、できあがったおかずを食べる時だけ、短い文で話すことができていました。一番大好きなこと、知り尽くしていることは、まだ話せるのだろうか……。
新型コロナに感染して、後遺症はなかったものの、手足が一気に不自由になったのだとか。
わたしは介護のことは情報でしか知りませんが、認知症が始まってしまっているのかなという気がしました。


高齢になると、骨折などで寝込んだのがきっかけででとたんに弱ったり、認知症になってしまったりするという話を、よく耳にします。


八十過ぎの両親はいつまで頭がはっきりしているだろうか。
いつまで会話を楽しめるだろうか。
不意打ちで胸を突かれた「サラメシ」でした。



数日前に散歩で見た紅梅。
ほかの木はまだ気配もなかったのに、早咲きの品種なのか、この木だけ春が来ていました。